2011年2月1日火曜日

虫たちの死に様*コムラサキ


 虫たちも病気になる。これはボーベリア菌(昆虫病原性糸状菌の一種)にとりつかれ、体から白いカビが生えてきて死に至ったチョウ。甲虫をはじめ、アブやハチ、トンボやバッタなど、あらゆる昆虫がこの菌の餌食になっている。

 まるで生物兵器。実際、生ける殺虫剤として商品化されているとのこと。人間には影響ないだろうけど・・・。翅の色が退色していてわかりにくいが、たぶんコムラサキと思われる。   撮影:2009-10-09

2011年1月29日土曜日

虫たちの死に様*ハエかアブの仲間


 葉っぱの上にハエかアブらしき虫の残骸があった。すでに翅は落ちて見当たらない。かなり時間が経っているのかもしれない。

 死因は何だろう?内側からあけられたような穴が気になる。寄生?それとも死んでからより小さな者に捕食されたのか?何はともあれ、こんなものを撮ってしまう自分が怖い・・。

  撮影・・・2008-09-17

2011年1月28日金曜日

虫たちの死に様*ヒメウラナミジャノメ


      
 ボロボロのヒメウラナミジャノメがクモの巣にかかっていた。巣の主は留守なのか気づかないのか、まだ糸でくるくる巻きにされていない。写真を撮り終えた時ぴくりと少し動いた。まだ生きていたんだ・・・。だからといってどうするわけでもない。

 このボロボロ加減を見れば、やるべきことはやり終えたようだし。お疲れ様。空中に漂ったまま命を終えるのは、チョウとしては理想的な死に様かもしれない。このチョウはうちの庭で一番出現数が多い蝶。    撮影・・・2008-06-21 

2011年1月27日木曜日

虫たちの死に様*ツノアオカメムシ

      
 どんよりとした日、薄暗い林道を歩いていた。下草の中に何かキラリと光るものを感じたので、近づいてみるとこのカメムシが葉っぱの上に横たわっていた。この種は死んでしまうと美しいメタリックグリーンが失われると聞いたことがある。死後それほど時間は経っていないのだろう。だんだんと黒ずみ始めてはいるが、まだ完全に輝きは失っていない。

 天寿を全うしたかどうか知らないが、葉っぱの上で死んでいる虫を見ると、幸せ者だなと思う。  ↑撮影 : 2008-07-26 


別個体。死後、時間が経つと変色。↑撮影 : 2013-10-10


      撮影 :  2010-10-16

非情な世界に生きている虫たちの死に様をいくつか記録しておこうと思う。

2011年1月26日水曜日

速贄にされたスズメバチ


 こんなところにハチが死んでいる・・・と思ったら串刺し状態。先日撮ったモズのとまっていた木の下あたりで。これまでうちの庭で確認したはやにえは、イナゴ、アマガエル、大きなケムシなど・・・。スズメバチのはやにえは初めて見る。モズは毒針に刺されても平気なのだろうか?寒さで弱った個体だったのかもしれない。

 モズがはやにえをする理由は、貯食のため、固定して食べるため、縄張り宣言・・・とかいろいろ言われている。しかし刺したままで、実際食べない場合が多いらしい。はやにえ(速贄)という言葉には「初物の供え物」という意味がある。謎の行為である。  
撮影:2011-01-23

2011年1月23日日曜日

コミミズクとミミズク*若虫


コミミズク 
            
 昨年の冬、庭のピラカンサスの木で偶然コミミズクの若虫(幼虫)をみつけた。
(他のものを撮って、それをカメラのモニターで拡大していて発見。木の枝に擬態。)

 今年もいるかなと昨年いたあたりの枝を探したら、いた。赤っぽい個体で、これではすぐ見つかってしまう。もっと上手に擬態しなくちゃ。じっとしていそうで、けっこう動き回る様子。今日また見に行ったらいなかった。 撮影:2011-01-21


ミミズク 
         
 ミミズクの画像もあったので参考までに。。こちらもかなり平べったい。葉っぱの裏側にいたので、もうすぐ成虫に脱皮かも。

 不完全変態する虫(セミ、カマキリ、トンボ、バッタなど)の幼体を「若虫」というらしい。今日はじめて知った。完全変態する虫(チョウ、ハエ、ハチ、カブトムシなど)の「幼虫」と区別するためとのこと。  撮影:左:2009-06-19   

脱皮殻。年と場所は違うが、偶然ほぼ同時期に撮影。左とはもちろん別個体。
撮影  右:2010-06-18

コミミズクもミミズクも、まだ成虫にはお目にかかってない。

2011年1月22日土曜日

大きなサワガニ


撮影・・・上   撮影:2008-06-13
 林道のど真ん中でじっとしていた。かなり近づいて写真を撮ったらさすがに横歩きをして藪の中に消えた。甲幅は少なくとも50mm以上はあったような気がする。(気のせいかな・・・)黒々としているせいか、ちょっとぞっとしたくらい。カニのことはよく知らないが、山にはずいぶん大きなカニがいるんだなぁとその時思った。

撮影・・・下   撮影:2008-09-17
 3ヵ月後、前述のカニを見た地点から100mくらい下った林道の端で、こんどは卵を抱えた個体をみつけた。大きな卵。普段山の中に棲むカニも、産卵の時は川まで降りてくるのかな?下の方に川は流れているが、カニの足では大変だなぁとその時思った。

 いよいよこのカニを同定する時が来た。「○○ヤマガニ」みたいな名前をずっと想像していたが、結局このカニはサワガニらしい。海と無縁で生きてゆける種は限られている。大型の成体になると、陸棲傾向が強くなるとのこと。私の知っているサワガニは、小さくて足は細く、清流の石の下にそっと潜んでいるというイメージだった・・・。