毎年この時期に見るカエルの卵塊。卵から幼生が孵っている。生まれたばかりのようで、まだ泳ぐことも出来ない様子。漠然とヒキガエルの卵かなとずっと思っていたが、ヒキガエルだったらひも状のはず。前に見かけたアカガエルの仲間の卵塊かもしれない。
この日特筆すべきは、この後近くの別の水場から聞こえてきたカエルの合唱。アマガエルのそれとは違って、まるで水鳥の群れが騒いでいるような響き。これからまた卵を産もうとしている一群だろうか?それが、カヤ原を分け入り水辺にたどり着くやいなやピタリと鳴きやんでしまった。全個体が瞬時にヒトの気配を察知したらしい。
すぐにまた鳴き出すだろうと待ってみるが、いつまでたってもだんまりである。水底をうごめくカエルの姿が時々見える。水面から目だけ出してこちらをじっと見ている者もいる。
息が詰まるような沈黙が続き、とうとう自分は根負けしてその場を退散した。その後近くでチョウなどを撮りながら30分ばかり過ごし、少しずつそこから遠ざかっていった。水場から100mくらい離れた時だろうか、またいきなりカエルの大合唱が始まった。 撮影:2011-04-02